2016年9月22日木曜日

丸はつは言葉を誘い、血肝は筆を走らす 山もと@三鷹

新卒歓迎会で利用した。三鷹駅北口、職場から徒歩5分ほどのところにある「山もと」のことを、私はもちろんずっと前から知っていた。まもなく開店1周年。訪れる機会を、zuttoねらっていた。

店内はおしゃれ。だがそのおしゃれ度はちょうどよくて、これなら従来の焼き鳥屋に慣れた客層ともお互いにすんなりと打ち解け合うだろう。

まずビールを頼む。



「吉祥寺SESSION IPA」は文字通りの地元ビールである。突き出しは枝豆と肉味噌で、これなら同僚に合わせてビールにするのではなく、1杯目から日本酒にすべきだったと少し残念に思った。

そしてそれとともに出てきた鶏スープ。



今振り返れば、この1杯にこそこの店のすごさが凝縮されていた。

やや大きめの猪口に入ったこのスープ、最初は何かなと訝しんだ。が、中を覗けば、まずは黄金色が見た目に美しく、鼻を近づけ1口飲んでううむ、と吐息してしまった。これは旨い!「旨い」という単語は、このスープによって定義づけられるのではないかとすら思った。時間をおき冷ましながら、味の変化を楽しんだ。名店といわれる喫茶店で珈琲を飲むときのようにだ。

しかも、このスープがすごいのは、このサイズである。これだけ旨いものを、これ以上大きなサイズで出したら、おそらく客は、このスープの余韻でこの店の焼き鳥を味わってしまうだろう。そう、このスープは始まりに過ぎない。そして、この始まりによって、俺のトサカは鷲掴みとなった。

「おすすめの焼き鳥、七本コース」(1,280円)を注文した。

まずは「さび」。



軟らかい。

そして「丸はつ」。



丸すぎだろコレ!ハムッとかじると、ジュッと汁が出た。慌ててワイシャツに気を遣う。たいへん美味しい。

「つくね」と「せせり」。




前者は華奢、後者は豪快な外観で目にも楽しい。

この間に酒を「生酛のどぶ」の熱燗に切り替え、合わせて「とりわさ」もたのむ。





「ふりそで」の弾力を確認した後、コース最後の「血肝」。



これが凄すぎた。この「血肝」のスゴさは、ぜひお店で体験してほしい。ちなみに私は肝から血の出る心地がした。凄すぎちゃって。

追加でたのんだ「心残り」や「モッツァレラチーズのさび焼き」も同僚たちには大好評だった。もちろん私も満足した。




〆の「親子丼」も、もうお腹いっぱいですよ、という同僚の遠慮を軽くいなして注文した。



ここで食べずに最後に後悔したくはなかったからだ。

上司からは、「ここまで旨い焼き鳥屋は初めてだ」というお言葉をいただいた。そちらの方が、新卒の歓迎なんかより私にとってよほど実質的価値があることは言うまでもない。

いやすばらしい。感服いたしました。あなたが絶対に訪れるべき店だし、私もまた必ずや訪れるであろう。

今回「山もと」というこのすばらしい店に出会い、「食べログ」の記事を2年ぶりに書いてみようと決心した。この2年間もすばらしい店にたくさん出会ってきたので、こういう記事は今後はなるべく書くようにしようと思う。

焼鳥 山もと焼き鳥 / 三鷹駅
夜総合点★★★★★ 5.0

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